2011年 02月 10日
いぼた蝋の効果。 |
未整理のSP盤の中に、ちょっと変わったレーベルの盤が出てきました。
薄くかぶっていた埃を払ってよく見ると、本来の色ではなく何かが染み込んだような手触りです。手にベタ付くわけでは無いので、油ではなさそうです。
で、気が付いたのは、サーフェス用の蝋です。どうやらこのSP盤はいぼた蝋を丹念に擦り込みその上に熱をかけて染みこませたようです。水拭きするときれいに水を弾いています。
このSP盤の持ち主だった方が大切に扱っていたのが分かります。
いぼた蝋は、蓄音器好きには必須の持ち物で、時間があればそれを削ってSP盤に擦り込んでいたのです。でも、レーベルの色が変化するほど塗り込める話は聞いたことはありません。
噂では、いぼた蝋を擦り込み、竹針で聴いたSP盤は、その後その組み合わせでしか聴けないなど、功罪あるのですが、(過去ログで、傷以外は灯油で洗えば問題なし)
もう一度、いぼた蝋のミュー係数を計って効果を考えようと思います。
実験は処理と未処理のSP盤を、HMV№5Aで聴き、その時の回転の変化をストロボシートのドットを利用してレーザー探査をしました。
ストロボシートの縞模様にレーザー光を当て、黒と白の反射を60/mtのスキャン速度のカメラで反射光を計ります。反射している時間が多いほど(回転が遅い)横線が長くなります。
効果を見るだけなので、数字は気にしないつもりですが、比較用にデータ収集はします。
最初は、基準データを取るために、10グラムの重りを1Cm角の紙片に乗せて引っ張り、蝋有りと無しの別々なSP盤をそれぞれ計りました。当たり前ですが約13パーセントほど変化しましたです。もちろん蝋を塗った方が回転は速く回ります。手触りでは蝋有りの方はすべすべしてしています。
次に、鉄針を使って聴いてみます。
三回計測してもほとんど差がありませんでした。
精度の問題かも知れませんが。鉄針の先端ほどの接触面ではミュー係数の差は無いに等しいのかも知れません。(データで読み取れない)
で、問題のSP盤を、
最初は蝋有りの状態で計り、次に蝋成分を灯油で洗い落として計測しました。
驚いた事に、蝋有りの方がミュー係数が大きいデータです。
このデータは、蝋有りの方の水平が長くなっています。つまり回転が遅くなっているわけです。どうやら必要以上の蝋が粘っているようです。針先に蝋が付着するほどではないのですが、
音の出力は蝋無しの方が大きく、またシャリシャリした高域も多く感じられます。
蝋はエジソンの蝋管蓄音器がそうであるように固まってしまうと意外なほど硬度があり、それが音溝になっていることが多いのです。
出力が上がる原因は、固まっていた蝋成分が溶けて、本来の音溝の蛇行が戻る事で音が大きくなっています。
今回の実験で、
どうやら、いぼた蝋のサーフェス効果は、手触りだけの結果になってしまいました。
でも鉄針より接触面が大きい竹針は効果があるのかも知れません。
また竹針の実験を再開しようと思っています。
今回の実験。・・・、果たして役に立ったのでしょうか。
微妙です。
薄くかぶっていた埃を払ってよく見ると、本来の色ではなく何かが染み込んだような手触りです。手にベタ付くわけでは無いので、油ではなさそうです。
で、気が付いたのは、サーフェス用の蝋です。どうやらこのSP盤はいぼた蝋を丹念に擦り込みその上に熱をかけて染みこませたようです。水拭きするときれいに水を弾いています。
このSP盤の持ち主だった方が大切に扱っていたのが分かります。
いぼた蝋は、蓄音器好きには必須の持ち物で、時間があればそれを削ってSP盤に擦り込んでいたのです。でも、レーベルの色が変化するほど塗り込める話は聞いたことはありません。
噂では、いぼた蝋を擦り込み、竹針で聴いたSP盤は、その後その組み合わせでしか聴けないなど、功罪あるのですが、(過去ログで、傷以外は灯油で洗えば問題なし)
もう一度、いぼた蝋のミュー係数を計って効果を考えようと思います。
実験は処理と未処理のSP盤を、HMV№5Aで聴き、その時の回転の変化をストロボシートのドットを利用してレーザー探査をしました。
ストロボシートの縞模様にレーザー光を当て、黒と白の反射を60/mtのスキャン速度のカメラで反射光を計ります。反射している時間が多いほど(回転が遅い)横線が長くなります。
効果を見るだけなので、数字は気にしないつもりですが、比較用にデータ収集はします。
最初は、基準データを取るために、10グラムの重りを1Cm角の紙片に乗せて引っ張り、蝋有りと無しの別々なSP盤をそれぞれ計りました。当たり前ですが約13パーセントほど変化しましたです。もちろん蝋を塗った方が回転は速く回ります。手触りでは蝋有りの方はすべすべしてしています。
次に、鉄針を使って聴いてみます。
三回計測してもほとんど差がありませんでした。
精度の問題かも知れませんが。鉄針の先端ほどの接触面ではミュー係数の差は無いに等しいのかも知れません。(データで読み取れない)
で、問題のSP盤を、
最初は蝋有りの状態で計り、次に蝋成分を灯油で洗い落として計測しました。
驚いた事に、蝋有りの方がミュー係数が大きいデータです。
このデータは、蝋有りの方の水平が長くなっています。つまり回転が遅くなっているわけです。どうやら必要以上の蝋が粘っているようです。針先に蝋が付着するほどではないのですが、
音の出力は蝋無しの方が大きく、またシャリシャリした高域も多く感じられます。
蝋はエジソンの蝋管蓄音器がそうであるように固まってしまうと意外なほど硬度があり、それが音溝になっていることが多いのです。
出力が上がる原因は、固まっていた蝋成分が溶けて、本来の音溝の蛇行が戻る事で音が大きくなっています。
今回の実験で、
どうやら、いぼた蝋のサーフェス効果は、手触りだけの結果になってしまいました。
でも鉄針より接触面が大きい竹針は効果があるのかも知れません。
また竹針の実験を再開しようと思っています。
今回の実験。・・・、果たして役に立ったのでしょうか。
微妙です。
by chikonki
| 2011-02-10 15:37