2008年 05月 10日
SP盤のイコライゼーション そのⅢ、・・? |
それまで、まったく気にしていなかったSP盤の電気録音時におけるイコライジング補正カーブが、調べるほどに謎が深まり、気分転換と暇つぶしに、格好な課題になっています。
電気録音の歴史を探ってみると、
大正12年(1923)、ウェスタン・エレクトリックで電気録音と再生機の実験を開始し、1925年(大正14年)、ビクタ-がこのウェスタンの電気録音システムを採り入れて電気録音レコ-ドと、名器オルソフォニック・ビクトロ-ラ・クレデンザを発売しそうです。(蓄音機100年・文 品川征郎 音楽之友社)
どうやら再生機に関しては、まだアコーステックの蓄音器に分があったようです。
電気録音は、録音技術者はもちろんミュージシャンにも歓迎されました。
録音のための労力が軽減されて音楽に取り組めるようになったと言います。
その頃のイコライジング補正カーブは、各社まちまちで、再生のためより、録音上の都合で決められていた感が有ります。
LP時代に世界共通規格のRIAA特性が決まりますが、これは昭和29年(1954)頃にRCAが「NEW ORTHOPHONIC特性」として初めて発表したものを採用したとと言うことです。RIAA(Record Industry Association of America)
で、本当のところはどうなっているのだろうと、色々資料を探してみました。
電気録音の再生ですから、やはり電気を使うことが前提です。
そうなると、やはり電蓄と言うことで、電蓄の普及が急激に伸び始めた昭和10年(1935)頃の事情を調べてみます。
良い資料がありました。
昭和11年(1936) 無線と実験の臨時増刊『電気蓄音機』 誠文堂新光社
この電蓄特集号は、真空管アンプ、スピーカー、ピックアップ、モーター、そして筐体箱まで網羅されています。
特に興味を持ったのは、ピックアップで、今のMMやMC、それにクリスタル、セラミックなどではなく、マグネットタイプがメインになっています。
ちょうど電蓄が音質的に認められた頃のようです。
特集されている真空管アンプは現在の物とほとんど変わりなく、シンプルなだけに、製作意欲が湧くほどですが、ピックアップはやはり時代を感じてしまいます。
このマグネットタイプは、マグネットの磁界に対して針の振動で電気を起こす仕組みで、あまり繊細な物ではありません。
しかし、当時は針の振動を電気に換えるにはこの方法がベストであったことは確かです。
同じ原理は、エレキギターのピックアップに活かされています。
記事には、高級ピックアップの特性は250Hz~4500Hz。 これはSP盤に録音されていた周波数とほぼ同じで、奇妙な一致を見ることになりました。
しかし、真空管アンプの特性は約40Hz~16000Hzで、充分すぎるほどの特性です。
で、課題のイコライジングカーブですが、アンプでの補正は簡単なフィルター回路で済ませています。
どうやら、まだシビアなイコライジングカーブは必要とされていないようです。
回路から読み取ると、「チョット低音が多い方がいいね」「これは高音が欲しい」
と言って、フィルター回路のツマミをひねる程度だったようで、補正カーブなんて気にしていないような感じです。
どうやら、本格的な補正カーブが必要となるのは、RIAA特性が確立されてピックアップの性能も格段にアップした頃からのような気がします。
結局謎が増えただけのような気がしますが、蓄音器は『そんなもの』で良いのではないでしょうか。
それに、・・・発見です。
蓄音器の表記に、電気が付くと表紙のように蓄音機と書かれています。
まだ広告欄には、蓄音器の表記も見られますが、・・・どうやら『機』は電気蓄音機からのようです。
電気録音の歴史を探ってみると、
大正12年(1923)、ウェスタン・エレクトリックで電気録音と再生機の実験を開始し、1925年(大正14年)、ビクタ-がこのウェスタンの電気録音システムを採り入れて電気録音レコ-ドと、名器オルソフォニック・ビクトロ-ラ・クレデンザを発売しそうです。(蓄音機100年・文 品川征郎 音楽之友社)
どうやら再生機に関しては、まだアコーステックの蓄音器に分があったようです。
電気録音は、録音技術者はもちろんミュージシャンにも歓迎されました。
録音のための労力が軽減されて音楽に取り組めるようになったと言います。
その頃のイコライジング補正カーブは、各社まちまちで、再生のためより、録音上の都合で決められていた感が有ります。
LP時代に世界共通規格のRIAA特性が決まりますが、これは昭和29年(1954)頃にRCAが「NEW ORTHOPHONIC特性」として初めて発表したものを採用したとと言うことです。RIAA(Record Industry Association of America)
で、本当のところはどうなっているのだろうと、色々資料を探してみました。
電気録音の再生ですから、やはり電気を使うことが前提です。
そうなると、やはり電蓄と言うことで、電蓄の普及が急激に伸び始めた昭和10年(1935)頃の事情を調べてみます。
良い資料がありました。
昭和11年(1936) 無線と実験の臨時増刊『電気蓄音機』 誠文堂新光社
この電蓄特集号は、真空管アンプ、スピーカー、ピックアップ、モーター、そして筐体箱まで網羅されています。
特に興味を持ったのは、ピックアップで、今のMMやMC、それにクリスタル、セラミックなどではなく、マグネットタイプがメインになっています。
ちょうど電蓄が音質的に認められた頃のようです。
特集されている真空管アンプは現在の物とほとんど変わりなく、シンプルなだけに、製作意欲が湧くほどですが、ピックアップはやはり時代を感じてしまいます。
このマグネットタイプは、マグネットの磁界に対して針の振動で電気を起こす仕組みで、あまり繊細な物ではありません。
しかし、当時は針の振動を電気に換えるにはこの方法がベストであったことは確かです。
同じ原理は、エレキギターのピックアップに活かされています。
記事には、高級ピックアップの特性は250Hz~4500Hz。 これはSP盤に録音されていた周波数とほぼ同じで、奇妙な一致を見ることになりました。
しかし、真空管アンプの特性は約40Hz~16000Hzで、充分すぎるほどの特性です。
で、課題のイコライジングカーブですが、アンプでの補正は簡単なフィルター回路で済ませています。
どうやら、まだシビアなイコライジングカーブは必要とされていないようです。
回路から読み取ると、「チョット低音が多い方がいいね」「これは高音が欲しい」
と言って、フィルター回路のツマミをひねる程度だったようで、補正カーブなんて気にしていないような感じです。
どうやら、本格的な補正カーブが必要となるのは、RIAA特性が確立されてピックアップの性能も格段にアップした頃からのような気がします。
結局謎が増えただけのような気がしますが、蓄音器は『そんなもの』で良いのではないでしょうか。
それに、・・・発見です。
蓄音器の表記に、電気が付くと表紙のように蓄音機と書かれています。
まだ広告欄には、蓄音器の表記も見られますが、・・・どうやら『機』は電気蓄音機からのようです。
by chikonki
| 2008-05-10 19:41